1203年 10月

2日

未開の森からワッシャー砦へ。

 

ヒルダリアさんに、闇の門の島について聞いてみました。

   「あそこには、人を寄せ付けない
    何かがあるのよ」

うん、あるだろうねぇ。
でも今から、そこに行かないといけないんだな。

船で送ってもらいました。

 

8日

セラさんに連れられて、エンシャントで冒険者登録をしてから、2年が過ぎた。
私は今、あの、まだ何もわからなかった頃に「生ける伝説」だと思っていたネメアさんを助けに行く。
闇の門の島
雑魚を蹴散らし、奥へ奥へ。
ヒルダリアさんの言っていた、隕石が落ちたような穴まで来た。ん、中に何か、見える…?
飛び込んだ先は…。ここ、あの城塞都市跡で飲み込まれた時に行った場所? 似てるだけ?
そこそこ強くなった(でもまだ雑魚扱い)敵たちを蹴散らしつつ、奥まで進む。
最奥の魔方陣に飛び込むと…。

   「やぁ、いらっしゃい。
    待っていたよ、マリエル」

うわ、シャリさん! 何でこんな所に。
…え、ネメアさんを助けに来た?
やだなぁ…また何かウラがあるんでしょ。

   「でも、もういいや。
    ネメア、いらなくなっちゃった」

ナンデスト!? ウラどころか何もなくなっちゃいますか。でも何でよ。

   「マリエル、君がいるからね」

ハァ? 何で私がいるとネメアさんを助ける必要がなくなるのさ。
いきなり、謎の力が私の動きを封じる。な、何コレ!?

   「さぁ、儀式を始めようか」

何でじゃあ!
とりあえず説明しろー! そして離せぇ!(じたばたじたばた)

   「ウルグはネメアに降臨する。
    僕もそう思っていたよ。
    マリエル、君は強くなりすぎたんだ。
    ウルグはネメアより、君がいいってさ」

知るかぁ! そんなの聞けるか、私は嫌じゃ。いいから離せぇー!(じたばたじたばた)
(ぜんぜん盛り上がらないな。マリエルのキャラがこれでは(笑))

…あれ、何か静かになった。シャリさんの予想外っぽい。
神器の一つがいきなり輝き、そこから現れたのは…お、オルファウスさん!
魂吸いの指輪に自分のソウルを封じ込めていたんだそうだ。…あぁ、アレってそういうイミだったんだ!
おかげで一応、儀式は失敗。助かった…。
どうでもいいけど、誰か起こして。この倒れ方はちょっと…。
(こっちに足を向けて、うつ伏せに倒れてます。彼女のカッコがアレなだけに、もう、ね)

   「ここから抜けたら
    エンシャントにおいでよ」

シャリさんはそう言って、消えた。

 

―――私の心の中では、私と、私の姿をしたウルグとの戦いが。
負けたら私、この体から追い出されますか。…って、ナンデストー!?
これはさすがに負けられません。頑張ります!
…つか、私のコピーなんだもん。殴られたら反撃が来るだろうし、それは無駄に痛そうだし…。
(実際4回やり直した(笑)。勝てねぇ)
…一か八か…「タナトスエッジ」!(即死系特技)
き、決まった…!(いいのか破壊神にこんなの効いちゃって)
何とか倒せたよ。
ウルグは私の中から消え去った。

 

   「ウルグさえ消えれば
    あの子は自力で戻って来れますよ」

オルファウスさんは言う。え、いいの? 助けに行かなくても。
なんだかなぁ。

オルファウスさんの力で、私たちは猫屋敷まで、飛んだ。

 

…ん?
ワッシャー砦の海賊さんたち、ちゃんと戻ったかな。
いつまでも待ってたり…しないよね?

 

猫屋敷
決戦の地は、エンシャント
オルファウスさんも仲間になってくれて、心強いよ。

 

9日

エンシャントの前を通りかかる。な、何これ!
エンシャントの外壁がボロボロだ…。
ベルゼーヴァさんが兵士に指示を出している。エンシャントから撤退する、と。
町の中を魔物が徘徊し、とても手が出せないんだそうだ。

   「必要なのは軍隊ではなく、
    勇者だと言うことか」

私たちはベルゼーヴァさんの元へと走る。一体、何があったんですかこれ。
え…?
エルファスさん、シャリさん、ゾフォルさんの3人がやったの? これを?
…むむムキー! 何が楽しゅうてこんな事! 1度ドツかんと気がすまーん!
まかしてベルゼーヴァさん。未来、託されました。
私の後ろに守る相手がいる限り、私は負ける気ないですよ。

 

魔物を蹴散らし(つか、蹴散らせるようなヤツじゃないんだろうなぁホントは)、城の前へ。
…出たなシャリさん。
シャリさんは、いきなり竜を召還。邪竜イシュバアル? って、この前復活させようとしてた竜の事?

   「こいつを倒さないと
    先には進めないよ!」

楽しそうなシャリさん。
…面白いじゃん。倒したろうじゃん!
が。

   「…あれ、誰か来た?」

シャリさん困惑。私たちと邪竜の間に現れたのは…ネメアさんだ! ネメアさんが次元の狭間から帰ってきた!
さすがです勇者。できすぎな位いいタイミングで帰ってきてくれました。

(マリエルは竜殺しの称号を得た)
(…いや…こんな終盤でそんな称号もらってもなぁ)

シャリさんは消えた。謎の言葉を残して。
「役目は、もうすぐ終わる」って、どういう事なんだ?

 

ケリュネイアさんがやってきた。
あぁ…ネメアさんと顔を合わせた途端に兄弟ゲンカ…(ぐったり)
とりあえずケリュネイアさんに後を任せ、城内に雑魚が侵入するのを防いでもらう。
その間に、私たちは中へと走る。

―――って、城内にはリッチさんとかが普通にウロウロしてるんかい!
まぁ、あの頃の私等とは違うんで、さっくり倒して奥へ、奥へ。
行く先には、魔人が3人。こんなのを召還してるのは…ゾフォルさんか?
まぁ、いいけどさ。あっさり倒せるから。(すでに雑魚扱い)
謁見の間へと進もうとしたら…うわ、魔人3人が復活した!
ネメアさんが1人、魔人を食い止める。
私たちは謁見の間へ。
…わぁ、なんだかヒロイックファンタジーのクライマックスみたいだね!
仲間がどんどん後に残って、最終的には主人公とボスの一騎打ちになるの!(黙れ)

 

謁見の間。
王座には、シャリさんとゾフォルさんと…ザギヴさん?

   「あの女、様子が変だ」

セラさんも感じたザギヴさんの異変。
ザギヴさんが苦しみ始める。何がおきたんだ! ザギヴさん! 一体何が…
…。
ザギヴさんを影が飲み込み。現れたのは…マゴス。

倒しは、したけど。
ザギヴさんも、もう、戻ってこない。

シャリさんは消え、ネメアさんがやってきた。
一人この場に残ったゾフォルさんが予言する。私たちの、死を。
必ず当たる、ゾフォルさんの予言。
…じょーだんじゃない。いやぷー。
私、まだ死にたくないんで。全力で行かせてもらいます。

(…あれ、なんだよゾフォルさん。偉そうな事言っておいて、1ターン持たなかったじゃん)

ネメアさんが言う。シャリさんは城を出た、と。
何処いったんだよ、マッタク…。

 

城の入り口ではケリュネイアさんが戦っていた。すげー、あんなでっかいのを1人で倒しちゃうんだ彼女。
彼女の横を通り抜け、エンシャント中を探し回る。何処だ、何処だよシャリさん!
後、見てないのは…魔道の塔と、廃城
行った事ないし、なおかつ怪しいのは、城の方かな。
意を決して、入ると…いた、シャリさんだ!
倒せば後ろの扉が開く、ですか。そういう事なら倒しますよ!

(何だよシャリさんも1ターン持たないじゃん)

   「強くなったねマリエル。
    僕はうれしいよ」

は? 何でだ。

   「僕の役目は、これで終わりだ」

だから何でだ。ちゃんと説明せい!
シャリさんは言う。自分は、「かなえられなかった願いをかなえるために生まれた」と。
そして更に。

   「マリエル。
    君もその願いの一つなんだよ」
   「…ハァ?」

つまり。
世界に破滅を望む願い(これは…エルファスさんの願いかね。邪竜復活関係のを見ると)を、シャリさんはかなえようとした。
そして、世界が危機に陥ったときに現れる勇者の出現を願う人々の思いから、私が生まれ…
え、私、人間じゃないのか? 種族:勇者なのか?
それとも、「誰かが勇者になる」って事が願われて、そのターゲットが、たまたま一般人だった私に決まったって事なのか?
まぁ、どっちでもいいや。(いいの!?)
少なくとも今は、仕方ない。勇者の務めを果たしに行きますか。ガラじゃないけど。

 

扉の奥には、エルファスさんがいた。
さぁ、後はエルファスさんだけだぞ! 何でそんな事願ったんだか知らんが、おとなしくそんな危険な望み、捨てとけ!
…え、1人じゃないの?
何、その「闇の王」と「闇の女王」って。レムオンさんとアトレイア様じゃん。
ひ…ひどいやエルファスさん。自我が無くなるほどの闇の力ってナンダヨ!
確かに(よくわかんないけど)2人はこの世界に絶望してたのかもしれない。でもだからって、自我を失う事なんて、望んでなんかいなかったんじゃないのか? 2人をこんな風に巻き込んだのだって、エルファスさんのエゴなんじゃないのか!?

(2人を、倒して。エルファスさんも…倒す)

レムオンさんとアトレイア様の体。そしてエルファスさんの命。
3つの条件は満たされ、闇の巨人が封印から解き放たれた。
こいつに世界を滅ぼさせるわけにはいかない。連戦だけど…行くぜ!

(結構あっさり)

闇の巨人が倒れる。
…やった! これでもう、大丈夫だ!
自然と笑みがこぼれる。みんなも無事でよかったよ!

   「…さすがですマリエルさん。
    やっぱり勝ち残ってしまったんですね」

突然、この場にいないはずの声が。

   「ノエルさん、どうしてここに…」
   「あなたのおかげで、世界は救われました。」

いやなに、それ程でも。

   「ですが、その代わりに、
    世界は新たなる脅威にさらされています」
   「ハァ?
    ま、まだ何かあるの?」(ぐったり)
   「それは、あなたです」

ぶうっ!

   「それはありえん。
    俺の知っているマリエルは
    そこまでバカではない」

うぅ、ありがとうセラさん。即座に否定してくれて。
でもなんとなくフクザツだよその言い方…。
そうですかノエルさん。結局、戦わざるをえないのね…。
トモダチ(だと思ってる)とは、戦いたくなかったんだけどなー(涙)。

(レイヴンさん…どう考えてもカフィンさんの方がHP危ないのに、やっぱりノエルさん優先で回復なのね(笑))。

ごめんノエルさん。さすがにね。負けるわけにはいかないのよ。
さっきの話の限りだとさ。負け=死、だよね。
私、まだ死にたくないし。
つかさぁ。一応こっちの言い分も聞いて欲しかったなぁ。
私はさ。
私と、私の仲間たち、大陸中のトモダチが好きなわけよ。(もちろんノエルさん達も)
で、そのみんなと出会わせてくれた、この世界が大好きなわけよ。
そんな世界を、守りこそすれ滅ぼすわけないじゃん。ねぇ。
…え?
私が死なないと、カフィンさんとレイヴンさんが、死んでしまう?
だから、ノエルさんは来たんだ。
ナーシェスさん、何でそんなに楽しそうなんだ。そんなに私がキライか。(いやそう言うわけでは…)
その時。
倒れていたレイヴンさんが起き上がり。
レイヴンさんは、ナーシェスさんを、刺した。

   「今の俺は、お前の重荷に過ぎない。
    それは、俺には許されない事なのだ」
   「ノエル…。
    あたしたち、もう、行くわ…」

2人は、消えた。ナーシェスさんと共に。
1人、泣くノエルさん。これは…かける言葉が見つからないなぁ。
そこに、カフィンさんの声が響く。声はノエルさんを慰める。もう泣かないで、と。

 

―――その時。もう1つの声が響いた。
それは竜王の声。あの時聞こえたあの声。

   「竜王様
    私はもう、戦えません」

竜王は、そう言うノエルさんの無限のソウルを取り上げた。
私達はその場にノエルさんを残し、竜王の元へと進む。

確かにさ。
私達は強くなりすぎたのかもしれない。
でもさ。
だからって。こんな事、こんな言いがかりで死ぬ気なんて、ない。
いくぜヤロゥ共! 最後の戦いだ、気ィ抜くなよ!

(チンタラ戦ってたら、12ターンもかかってしまいました。うむぅ…)

竜王、倒しました。
…ぃやったぁ!
一緒に戦ってくれたみんなが、1人ずつ、この場からいなくなる。
セラさん。フェティさま。ルルアンタネメアさん。
4人が行った後、この場にオルファウスさんが現れた。

   「うつし世の最後の神が消え
    人は、自分達の力で歩まねばならなくなりましたね。
    あなたの開いた扉は
    無限の可能性を開いていますからね」

―――うん。
これからは、神様に頼るだけじゃなく。
自分達の未来は、自分達の手で。

 

 

 

1203年10月
 後に多くの吟遊詩人に歌われるこの騒乱の後
 ディンガル帝国とロストール王国は
 和平条約を締結した。

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