第4週

8月22日

今日は、おじちゃんとおばちゃんの結婚記念日!
萌ねーちゃんと詩ちゃんが、パッチンワークで2人へのプレゼントを作ってた。

 

おじちゃんと工房で話す。
ボクは将来、どんなヒトとケッコンするんだろう。
うーん…ぐ、グラマラスな美人!
(いや、他の選択肢が、「財閥令嬢」と「年上の人」だったんで…)

おじちゃんに、鳥だこをもらった。今まで取りにいくの忘れてて(汗)。

 

家からお地蔵様の方へいくと…うわ、ヘビだぁ!
こっち来ちゃヤだよぅ!
…あ! ボクのピンチにおじちゃん登場! 追い払ってくれた!
なんか、おじちゃん、かっこいいや。

 

カメラの前のさとう水、なくなってた。あのヘンなのがなめたのかな。
そうだとしたら、カメラに映ったかな?
沙織さんに聞いても、のらりくらりとかわされちゃって、わかんないや。ちぇ。

 

たこあげの丘で、鳥だこを上げた。むずかしー。
3回も墜落させちゃって、ようやく上がったよ。

 

夜は、ケッコン記念日パーティー。…なんか、おじちゃんナイガシロ(笑)。
こういうおめでたい席で、長い小難しいハナシは嫌われるよ。

萌ねーちゃんに、教頭先生の話を聞いた。
この山に昔、大事な宝物を隠したんだって。

萌ねーちゃんの部屋で、宝物のハナシ。
萌ねーちゃんの場合、思い出が大事な宝物なんだって。
あとは、かわいい音がするオルゴール。
コレって…前にひまわり畑で詩ちゃんが、お兄ちゃんがらみでなんか言ってなかったっけ? つまり、そういう事?

今日のボクくん日記

おじちゃんおばちゃんのケッコン記念日。

 

8月23日

朝から家に、沙織さんが訪ねてきた。
オオカミの写真、取れたって! わざわざ見せに来てくれた! おめでとー!

 

おじちゃんに、こいのぼりだこを頼んだ。2日後が楽しみだ。

 

道にヘビの抜け殻が落ちてた。昨日のヘビのヤツかな。

 

沙織さんはなんだか、微妙なカンカクになってる。嬉しいけどなんかフクザツ、て感じ。
夢は、追っかけてる間が1番楽しいんだよねぇうんうん。
(小学生らしくないよボクくん)

滝の向こうの「あなあなぼぼん」。コレって、萌ねーちゃんが話してた教頭先生の宝物なのかな。
持って帰って萌ねーちゃんに見せてみる事にした。
…英語の辞書と英語の手紙だって。

   「訳してみたいけど…私の辞書は学校だし、
    辞書がないと訳せないなぁ」

…萌ねーちゃん、天然ボケ? ボクが持ってきたその本は一体なんなのさ(笑)。

 

萌ねーちゃんの部屋からは、僕の部屋からは見えない夕陽が見えた。

 

夕食の時、萌ねーちゃんが、あの手紙の訳を教えてくれた。
この手紙のヒト、生きて戦争から戻ってこれたのかな。
署名がなかったから、教頭先生の宝物かどうかもわかんないや。

おばちゃんが、ひまわり畑で撮った写真をくれた。ありがとー!

 

TVを見ている詩ちゃんと会話。

   「明日、春巻きだって。
    しらべ、中華は油っこくて苦手だな」
   「じゃあ、おばちゃんの料理で何が好き?」
   「えっとね、チャーハンとか、酢豚!

…それ、中華じゃん…。

今日のボクくん日記

ニホンオオカミの写真。

 

8月24日

朝、萌ねーちゃんが、おじちゃんおばちゃんにあやまってた。
やっぱり進学するんだって。頑張ってね萌ねーちゃん。
詩ちゃんはアイドル歌手になって、ベンツでブイブイ言わせるんだって。ちょっと想像できない…。

 

今日は、てっぺん山を目指すんだ!
ひみつのルートをどんどん進み、突き当たりの井戸に飛び込む。出た先は、竜神池の向こう側。
やった! 登山口、まだ開いてる!
虫取りしながら山の頂上へ。
てっぺん山のてっぺんからは、何もかもが、小さく見えた。

 

げ。ヘビに遭ったの沙織さんに知られちゃった。に…逃げたよ。おじちゃんが助けてくれたし。
…え? 「ちゅー」?
沙織さんにちゅーされた。せ…責任取ってくれる? ドキドキ(笑)。

 

夜、てっぺん山の話をした。
おばちゃんも言ってたけど、ここに来て、よかったな。

おじちゃんが明日、窯に火を入れるんだって! 楽しみだなぁ。

萌ねーちゃんと、縁側で星を見た。高校卒業したら絶対、月夜野に帰ってくるって!
大丈夫。この家も、おじちゃんのおばちゃんも詩ちゃんも。
山も川も流れる風もきらめく星も。ちゃんと萌ねーちゃんの事待っててくれるよ。

今日のボクくん日記

てっぺん山のてっぺんの事。

 

8月25日

そう言えば、ずっと晴れてるねぇ。

 

朝、わき目も振らずに走る。ひみつきちに行ったら…あれ、誰もいないや。
…ん? タイヤの中にある爆竹を手に入れた。これ、どうしよう…。

 

おじちゃんが窯に火を入れた。
「のぼりがま」って言うんだって。
しばらくは薪を、3~40分毎で補充。徹夜だって。大変だ。
薪割りしているおじちゃんの横で、おばちゃんの励まし。

   「頑張って優作(おじちゃんの名前)。
    もう少しで久々の、現金収入よ!

そ、そんなあからさまな…(笑)。

 

縁側の萌ねーちゃん。
「楽しかった」から、終わっちゃうと淋しくなるのかな。

窯の横のおじちゃん。
虫の声を聞きながら詩を読んでたけど…。なんかちんぷんかんぷんだ。

今日のボクくん日記

なんにもないすばらしい1日。そうか、窯の火入れは大した事ないんか…。

 

8月26日

遊びに行く前に、窯の近くのおじちゃんと話す。
今、窯の温度は、目標の70%くらいなんだって。がんばれ、窯(とおじちゃん)!

 

ひみつきちの前を通ったら…あ、雨だ!(窯は大丈夫か?)
ちょっとした通り雨だったみたい。やんだら、これから行く山の方に、すっごくきれいに虹が見えた。

 

ひみつのルートを通って行く。
大きな杉に耳を当てたら、コポコポ言う音が聞こえた。木の中を水が通ってるみたい。さっきの雨?

 

沙織さんに会いに行く。
そう言えば、全然お風呂借りに来ないね。
どうやら沙織さん、池で水浴びしてるらしいのです。まだ寒くないから。
…な、なんか気持ちよさそう。(この作品、水遊びできないんだもんな) うらやますぃ。

家の方に戻ってみる。あ、おじちゃんが木陰で倒れてる。
昨日、徹夜だったんだもんね。おじちゃん、お疲れ様でした!

お部屋で受験勉強の萌ねーちゃん。居眠りよだれで教科書ぐちゃぐちゃ。ダメじゃん。

 

夕御飯の後。
おじちゃん、座って寝てるよ。「グー」とか言ってるよ。

萌ねーちゃんは今日も縁側でクラリネット。
すっごくうまくなったような気がする。クラリネットの音にバックミュージックがついてるというか(笑)。
うーん、20年後かぁ。何をやってるんだろうね。

(この時代の20年後っていうと、1995年の事。
実際、いろいろ変わったけど、本質的な事は何も変わってないぞ。
冬は、紅白見ながらこたつでみかん。
車はまだまだ道を走り、月はまだまだ未知の領域。
宿題やってくれるロボもいないぞ(笑)。
つーか、その頃、ボクくんは29歳。宿題って何だよ)

今日のボクくん日記

雨上がりの虹の事。

 

8月27日

沙織さん、明日、山を降りるんだって。
また来年も来るんだって。でも…淋しいなぁ。

 

この前、手に入れた爆竹を使ってみた。
679匹のアリが死亡した。
(ひ…酷いよボクくん…。しかも数数えたんかソレ)

 

夕御飯の後、縁側にいる萌ねーちゃん。
今日はクラリネット吹いてない。虫の声を聞いてたいんだって。

 

おじちゃんの工房の棚、詩ちゃんも昔、落としたことがあるらしいぞ。

   「な、なんて悪いやつなんだ」

ってボクくん、なんか棒読みだよ。アヤシイ突っ込み方だな。あの時の事、ばれるぞ(笑)。

 

焼き物、うまくいったみたい。おじちゃん、満足そうだった。

今日のボクくん日記

沙織さん、バイバイ。ニホンオオカミとシアワセにね(笑)。

 

8月28日

おばちゃんと空を見上げる。
あ、飛行機雲だ!
おばちゃんは実は、生まれ変わったらパイロットになりたいんだって。

 

おじちゃんの工房で、こいのぼりだこをGET。時間的にコレが最後のたこかな。
上げてみたけど…む、むずかしーい。重いしぶれるしでフラフラだった。

 

ひみつきちに行った。
みんなに、もうすぐ帰る、って言った。なんだか淋しい。

 

最後に会いたくて、沙織さんのテントに行った。
…テント、なくなってた。もう山を降りちゃったみたい。
テントのあった近くに、ボクへの置手紙があった。「イイヤツだったよ」か…。また、会えるかな。

 

夕御飯。
あれ、なんか、御飯、食べたくない…。
熱があるのかなぁ。ほへほへ、って感じ…。
(どうでもいいけど「『ほへ』2つかぁ」って何よおばちゃん)
おばちゃんがおでこでゴッツン。熱を測ってくれた。
―――おばちゃんちにいた男の子、とってもシアワセだったと思うよ。
なんか…なんでかな…。

あぁ! おばちゃんのロールキャベツ、食べたかったなぁ。

今日のボクくん日記

熱出して、おでこで測ったハナシ。

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