はじまり

1201/09/26

ここは、バイアシオン大陸にある、地図にも載らない小さな村、ミイス

私はマリエル。
今は森の中を走っている。
森の奥には1人の男の人がいた。彼はロイ。私のアニキ。
2人で薬草を摘む。あの、アニキ、ちゃんと働いてる?

   「頼りにしてるぞ、マリエル」

いや、そうじゃなくてさ。
うまい具合にサボられる。ちぇ。
そんな、いつもの日常。

ただ、違うのは。
最近、村の回りに魔物が多く出てくる事。
村の周りは結界に覆われているので、魔物が入ってくる事なんてないはずなのに。

村に帰ろうとした時、会った事のない、怪しげなおねーさんと会う。
え、ハイ? 探し物? 何を?
私には聞こえなかったんだけど、アニキは聞こえたらしい。そして、そのねーさんから目を逸らし、「知らない」と答えた。
その場から消えるねーさん。
…まぁ、アニキが知らないのに私が知ってるわけないし。いいや。放置。
アニキは、今のねーさんに似ている人を知っているらしいです。あぁまたここに、アニキは知ってるのに私は知らない事実が…。物知らず…。
(そういう内容の事ではなさそうですが)

 

村へ。
なぜか私は大人気。
アニキが修行の旅に出ていた時、私が村を守っていたから、って事らしいんだけど…。何から?
え、だって、村は結界に守られてるわけだし。ってことは、村には魔物は来ないわけだし。
現に、さっきアニキと一緒に戦ったのが、初めての練習以外の戦闘なんだけど…。
…まぁいいや。(あっさり)

神殿では、ダディアス父さんが待っていた。
言い忘れてたけど、私は司祭の娘。ガラじゃないと思うんだけどなぁ。
帰ってきた挨拶をしたところで…う、うわ、地震!? 大きいぞ、ナニ?
アニキが言う。「今のが竜王の覚醒か」と。
世が乱れる時に、覚醒する竜王。その第一声ではないかと。
それってつまり、この先、世が乱れるって事だよね…。やばいじゃん。
で、私はアニキと一緒に、森の確認に行く事になりました。
ダディアス父さんに、『復活の真珠』をいただきまして。いざ、出発!
でも、なんだか父さん、淋しそう。
何、娘を送り出すくらいで感傷的になってるのさ!
(親心のわからないヤツめ)
大丈夫でしょ。めっちゃ強いアニキと一緒なんだから。心配しないで、待ってて。

 

さっきの森へ。奥まで来てみたけど、静かなもんじゃん。
何もなさそう。戻ろうよアニキ。…あれ?
帰り道をふさぐように、魔物が!

   「罠か…」

いや、ハメられる要素は特にないと思うんだけど。少なくとも私には(笑)。
アニキはさっきのねーさんの仕業だと思ってるんですか。何で?
ワケのわからないままに、魔物たちを全滅させる。やれやれ…。

その時、村の方から大きな音が!
うわしまった。よく考えたら、今、村を守る人が誰もいないんじゃん!
全速力で村へ。

 

…何、これ…。村が、燃えてる…。
その中心にはさっきのねーさんが。神殿の方へ向かっていく。
と、父さん! そして(出てきてないけど)母さん! 無事でいてよ!

しかし、願いもむなしく。
アニキと私が神殿にたどり着いた時には、父さんも母さんも、物言わぬ骸になっていた。
間に合わなかった…。(呆然)
ねーさんが、殺したらしい。笑いながら、殺したらしい。
ねーさんが、名乗る。
破壊神ウルグの円卓騎士、心を無くす者アーギルシャイア、と。そして消えた。
後に、デカいゴーレムっぽいのを残して。
追いかけたい! つか、あの女、絶対切る!
でも先にこのデカいのを倒しておかないと…。強そうだけど…。

   「マリエルは皆を避難させてくれ」

ぇえ? アニキ1人で戦うの!? 無茶だよ!
でも、確かに今の自分じゃ、アニキの足手まといだ。その辺の雑魚すら1撃で倒せないくらいなのに。
…わかった。アニキ、強いもんね。
私は村の皆を助けに行くよ。アニキもがんばって!

 

村の出口を塞いでいるピクシーを倒し、皆を村の外へ逃がす。
村の女の子から、『朝日のお守り』をもらいました。装備してると、眠りを50%回避だそうです。ありがとね。
このまま、皆を安全な所まで連れて行こうと思うんだけど…。
(後ろを振り返る)
…アニキ、大丈夫かな…。
一応、どうなったのか知っておいた方が、いいよね。
アニキが勝ったなら(つか、絶対勝ってると思うけど)、安心して村の皆を避難させる事ができるし。
もし…負けてたら、皆が逃げ切れるまで、私がほんの少しでも時間を稼がなきゃいけないし。
(稚拙な)理論で納得し、神殿の方へ走る。その時、後ろから私に声をかける人がいた。
あの、ドナタデスカ?
アニキの事知ってるみたいだけど…はぁ、セラさんですか。私、マリエルです。よろしく。
あの、セラさん。アニキとはどういった関係で…?

   「ロイは、俺が唯一認めた男だ」

よく、わかんない…。
まぁ、アニキの方がセラさんを認めてるとは限らな…いやいやいやいや。
2人で神殿前へ。
さっきのゴーレム(デス・ギガースと言うらしい)は倒され。
アニキもその場にいなかった。
セラさんは剣をかざす。

   「ロイはここにはいないようだ」

どうやらセラさんの持っている剣は、アニキの剣と対になるものらしい。

 

何もわからないままに、セラさんについて行く事にしました。
ごめんね村の皆。守人失格だけど、私は村を出ます。
消えたアニキを探したい。
何より、あの女、アーギルシャイアを、探し出したい。

 

セラさんと一緒に目指したのは、帝都、エンシャント―――。

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